40代後半位から、いつものメイクなのになぜか老けて見えるという現象が起き始めました。私の場合、仕事柄日常のスキンケアは淡々と行ってきていましたし、美白ケアや紫外線予防もしています。でも、なぜか「メイクで老けて見えてしまう」という悩み。鏡を見て「なんだか以前より顔がくすんで見える」「同じメイクなのに昔よりしっくりこない」と感じる日々。でもこれ、理論的に考えるとそりゃそうだよね、と。人は毎日自分を見ているので、少しずつ老いていったり、肌色が変わってきたり、顔の輪郭またはパーツが数ミリずつ変化していく過程には意外と鈍感なんです。そして、ある程度分かるところまできて「なんか違う!」と焦りだすんですよね。当然のことながらなかなか自分事では受け止めたくない現実です(笑)。紫外線ケアをしていても、肌内部のコラーゲンが糖化することで黄ぐすみしてきたり、血の巡りが悪い方は、毛細血管のすみずみまで栄養が運ばれていないので肌色もくすんできがちです。これらはスキンケアだけではどうにもなりません。年を重ねるほどインナーケアの良し悪しが外側にも出てくるので、ここはじっくり整えていくとして、年齢を重ねた肌に合ったメイクの方法を取り入れることで、若々しさや上品な華やかさを演出することができます。ここでは、“老け見え防止”のメイクテクニックをご紹介します。
ベースメイクは「ツヤ感」重視!厚塗り厳禁!
シワや毛穴を隠そうとしてファンデーションを厚く塗ると、無残なことになります。暑い時期のファンデの崩れ方も「汚い」ですし、冬場の乾燥が厳しい時期の厚塗りは、地割れのようにシワを目立たせます。厚塗りは絶対厳禁です。年を重ねるほど、スキンケアに力を入れて素肌自体の清潔感を維持しながら、ファンデーションは薄く薄くの方向にシフトすることをおすすめしまう。肌はアイやリップなどを描くキャンバス。まず、肌のメイク法を変えるだけで老け見えから解放されます。
アラフィフに必要なのは「健康的に見えるツヤと清潔感を醸し出す透明感」です。
それから、ファンデーションを塗る前には、必ず下地を使用することをおすすめします。どちらかというと、ファンデーションよりも素肌を綺麗に仕上げす下地で大体の肌メイクは完成すると言っても良いくらいです。自分の肌の色むらのトーンを整え、毛穴の影を無くし、乾燥や皮脂コントロールまでしてくれる下地を選んでおけば、肌メイクの8割はOKです。あとは、薄くファンデを重ねて上げるだけ。
*下地
保湿力の高いものを選び、くすみを飛ばすピンク系やラベンダー系のカラー、そしてツヤ感のあるものを活用しましょう
*ファンデーション
リキッドやクッションタイプで、薄く均一に!
*コンシーラー
濃いシミなどをカバーしたいなら必要な部分にコンシーラーを点で置いてなじませる
「隠す」より「色補整と光を味方につける」ことで、ふんわりとアラを隠して、ツヤと透け感のある若見え肌を作ることができます。

アイメイクは「抜け感」重視!「濃い」は厳禁!
年を重ねると目の周りのたるみ、シワ感問題は大きくなるばかり。特にまぶたは皮膚が薄い上に毎日の瞬き運動での酷使もさることながら、スマホやPCが一気に目もと老化を押し上げています。若い頃のままのアイラインや濃いアイシャドウは、まぶたのたるみやシワを悪目立ちさせてしまいます。アラフィフには「やりすぎない自然な目元」が上品見えのカギになるんです。
* アイシャドウ
まず、粉感が細かくなめらで肌にパウダーが浮く感じではなく、ピタッと吸い付くようなものを選びたいです。粉感が荒いと、アイシャドウを薄く付けたとしてもムラが出てきれいに付きません。またギラギラ感の強いラメは避けましょう。よく目の下にこのラメが落ちて不思議なチラチラ感を出している方を見ることがありますが、ラメを使っているものほど地のパウダーとの相性や質が重要なカギになりますし、目の下に落ちているのは清潔感を奪います。選びたいのは細かいパール感のあるベージュやピンクブラウン。これをまぶたのベースカラーとして取り入れたいです。マットなものより光がかげってくる大人のまぶたには、品のある光感を与えツヤで明るさを演出します。リップにはっきりした色を持ってくる場合にはこの状態でアイラインだけでも良いですし、リップをナチュラルからーにする、またはファッションに合わせてまつ毛の際に、少し濃いめのブラウンなどのカラーを足しても綺麗です。
* アイライン
まっ黒よりも、ブラックブラウンや、グレージュ、チョコレートブラウンなど、パッキリし過ぎず、少しニュアンスのある色味を選ぶことでキツ過ぎないながらも、柔らかく目元をはっきりとさせてくれます。まつ毛の隙間を埋める程度に細く描きます。
目元に「軽さ」と「明るさ」を出すことで、優しく若々しい印象になります。
眉は「細すぎない」「下がらない」が鉄則
眉の形は顔全体の印象を大きく左右するパーツ。眉を描くのが苦手という人も多いですよね。そして、時代によってトレンドが発生しやすいのもこの眉の形です。今見るとあり得ない位の細い眉が流行った時代もありましたし、儚げな女性の演出として下がり眉が流行ったこともありますが、細くて下がり気味の眉は老け見えの原因です!ここ数年のトレンドでは、きちんとした意志を感じさせる少し太めの形で、毛の流れがしっかりと感じられるナチュラルな眉です。だから、自己判断で抜き過ぎたり、切り過ぎたりは要注意。トレンドというだけでなくアラフィフ世代を溌剌と見せてくれる大きなポイントである眉。眉の形を自分でどうにも出来ないという方は、今は眉サロンもあるので一度プロに正しい見本の眉を形作ってもらってそれをお手本に整えていくのも長い目で見ればコスパと自分の顔印象の向上に良いかもしれません。

* パウダーでふんわり描き、ペンシルで描き足すように調整
* 眉山は高くしすぎず、水平〜やや上向きに描くとリフトアップ効果
* 髪色に合わせた眉マスカラで抜け感をプラス。私は髪をアッシュカラーにしているので眉も似た色の眉マスカラをつけています。
自分の顔に合う自然な眉の形を意識しましょう。
チークとハイライトで血色感と立体感をプラス
肌のトーンが落ちてくるアラフィフ世代は「血色感」と「立体感」が若々しさのカギ。特にチークが醸し出す血色は、多幸感を生み出し。ハイライトの立体感は、肌が発光しているかのようなツヤ感を生み出します。私のメイクに特に欠かせないのがこのハイライト。これを上手く使うだけで、年齢の割に肌の褒められ率(あくまでメイク時!)は高いのです。
* チークはコーラルやローズ系で、笑ったときに頬が高くなる位置に薄く丸く入れる
* ハイライトはTゾーン・頬骨の上・顎先に軽くのせる
私が愛用しているのはスティック状のハイライトです。コスパがとても良いです。スティックで直塗りするとファンデがよれる気がするので、私は指に取って、頬骨の上から目尻に沿ってと、顎先と鼻先に軽くのせています。1本使い切るのに恐らく2年は平気でもちます。ハイライトは、粉ものだと肌のアラが目立つ場合があるので避けているのと、年齢的にも変なギラギラ感になると品がない感じの肌に見えてしまうので、本当に微細なパール配合でベタベタ感が少ないながらピッタリと肌に吸い付くものを選びます。つけていると、周りから肌にツヤがある!肌がキレイ!と褒められることが多いです。
血色やツヤがあるだけで一気に若返り、顔全体の印象が柔らかくなります。
リップは「明るさ」と「潤い」で印象アップ
唇の縦ジワやくすみは年齢を感じさせやすい部分です。就寝時にリップバームをたっぷり塗って保湿をしっかりしてベースを整えておきましょう。家にいる時に口紅を塗らないという人は常にリップバームやクリームを塗っておくことをおすすめします。何もつけていないと乾燥が気になって舐めてしまいがち。そうすると余計に乾燥しやすくなってしまいます。唇は皮膚が薄くデリケート。口紅がキレイに映えるように下地のケアはきちんとしておきましょう。

* 肌の調子がとても良く、ツヤや透明感が高い状態で、マット系の口紅をつけるのは素敵なのですが、そうでない肌状態の時には悪目立ちしてしまします。マットよりも若干ツヤ感のある口紅を選びましょう。もしくは、マット系の口紅でしっかり色をのせた後に、少しだけグロスをちょんちょんとのせてツヤを足してあげても良いです。
* 色はベージュ系よりも、少し明るめのピンク・ローズ・コーラルが◎。肌状態が良い時には思い切って自分に似合うレッドをつけるのも素敵です。レッドは肌を白く見せてくれる効果もありますし、ポジティブな印象にも!大人のレッド、私は好きでむしろ定番化しています。欧米の高齢者は年を重ねるごとにファッションもリップの色も明るい傾向になりますが、日本の高齢者は何故か煮しめ色になる傾向が…。でも、肌や髪が加齢とともにくすむのあれば、ファッションやリップで色の華やかさを足して丁度良いのでは、と思うんですよね。私の中では欧米傾向に一票なんです。溌剌と見える高齢者を目指したいと思っています。
* リップライナーで輪郭を整えるとふっくら若々しい口元に。唇も痩せてきて、輪郭が曖昧になってくると口紅で色をのせてあげても貧相に見えてしまいます。ベージュ系のリップライナーで縁取りを少しオーバー気味に描いてボリュームを出してあげると、ほんのひと手間ですが印象がだいぶ変わります。
「血色」と「潤い」があるだけで、顔全体が華やかに見えます。
まとめ:アラフィフのメイクは「引き算」と「光」
アラフィフ世代のメイクの基本は「隠す」より「活かす」こと。
自分が若い頃のメイクアイテムやテクニックをそのまま続けると、かえって老けて見えてしまいます。ベースは薄くツヤを出し、アイメイクや眉は自然に。血色と光を上手に取り入れることで、年齢を重ねた肌が持つ上品な魅力を最大限に引き出せますし、今のトレンドにも調和しますので古臭い印象になることを避けられます。
最近のメイクアイテムは韓国のものを筆頭に、テクニックがなくても簡単に使いこなせる上に、安くてメイクの好奇心を高めてくれるものが豊富です。若い世代だけでなくアラフィフが使えるものもたくさんありますので、使わない手はない!是非活用していきましょう。
「老け見え防止」のメイクは、頑張りすぎずに“軽やかで抜け感のある仕上がり”を目指すことがポイントです。いつまでも「ご機嫌な自分」でいられるようにメイク道具やメイクテクニックを更新していきましょう。
