アラフィフに差しかかる頃、それまで気にも留めていなかった心と体のバランスが急に“なんだかおかしい…”と感じる瞬間が増えてきます。
・急に汗が吹き出す
・イライラが止まらない
・夜中に何度も目が覚める
・なんとなく気分が沈む
・肌や髪の元気がなくなる
—— それ、もしかすると「ホルモンバランスの乱れ」が原因かもしれません。そして、それが「更年期」という状態。いずれ自分にもその時期がくる、と頭では予期していたけれど、いざいろんな不調が現れた時に、長引く不調に体はつらく、精神的にも負担になります。
更年期は、閉経を挟んだ約10年間のこと。この時期、女性ホルモン(特にエストロゲン)が急激に減少します。
ホルモンは体だけでなく心の状態にも深く関わるため、そのバランスが崩れると、心身にさまざまな不調が出てきます。
風邪でもないし、未病のようないろいろな症状。
・理由もなく落ち込む
→ 気持ちの浮き沈みは、ホルモンのジェットコースター的変動のせいかも。
・寝ても疲れが取れない
→ 睡眠の質が下がるのも、更年期あるある。ホルモンは眠りにも関与。
・肌がガサガサ、髪がパサパサ
→ エストロゲンは肌や髪の潤い維持にも関係しているため、減少による変化が現れやすいです。
私も含め同僚、友人の間でも皆それぞれなんらかの不調を感じています。「年だから」とか「更年期だから」とか、なんかこういうネガティブフレーズを言いたくないし・・・と思う私。そのせいか、余計に前を向いている心と、不調な体の乖離にイライラすることが増えました。
1.まずは「自分を責めない」こと
更年期の不調は“がんばり不足”や“気の持ちよう”ではなく、体の自然な変化によるもの。自分を責めるのではなく、「そういう時期なんだな」と受け入れることが大事。こう自分を諭すことで随分楽になりました。特に、休日などアクティブに過ごしてきたタイプの人ほど、「ゆっくり過ごす」ことに慣れていなくて、もどかしさが逆にストレスになる傾向があるみたいです。「そういう時期なんだからこんなもさ!」と上手くこの時期を乗り切りましょう。
2.ホルモンバランスをいたわる習慣を
●食事:
・大豆製品(豆腐・納豆・豆乳):エストロゲン様作用に期待
※エクオール検査をしてみるのがおススメ。
「エクオール」は腸内細菌によって作られる代謝物。 大豆食品を食べると腸内で「大豆イソフラボン」が腸内細菌「エクオール産生菌」によって代謝され、「エクオール」が生まれます。このエクオールは、更年期症状の改善や骨粗しょう症予防効果があり、とても重要な存在にもかかわらず、自分の腸で生み出せる人の割合はなんと、日本人では50%という研究結果があるそうです。そこで、私も婦人科で調べてもらったところ残念ながら「生み出せない」人でした・・・。ですので、サプリメントで補充しています。私の場合は、飲んでいる方が体が楽な気がします。この検査、Amazonなどでも検査キットを販売していて手軽に検査出来るので、まず自分の状態を知るためにもおススメです。
・鉄・亜鉛・ビタミンB群:ホルモン代謝に必要
※鉄瓶で白湯を飲むなどして毎日「鉄」を意識して摂る。
時々頭がボーっとしたり、だるかったりするのが気になることはあったのですが、ある時から急に、走ってもいないのに「動悸」を感じるようになり、生まれて初めて動悸・息切れの薬「救心」を買うはめに。でも、それを飲んでも治らず・・・。病院でも異常無しと言われ・・・。健康診断の数値では貧血では無いので、鉄不足は頭に無かったのですが、いろいろ調べてもしかして鉄が足りていないのかも、とこの方法を摂ってみたのです。気づいたら、動悸は感じなくなり、だるさなども取れていたので私の場合の正解だったようです。同じような方にはヒントになるかもしれません。
・カフェインや糖分は摂りすぎ注意
糖分はもともと注意はしているのですが、コーヒーフェチなので、以前は1日5杯位飲むこともありました。今は多くても3杯にしています。
●生活習慣:
呼吸:つい浅くなりがちが呼吸を意識して、胸を開いて深呼吸。酸欠は巡りを悪くします。
ストレッチ:ゆっくりとストレッチをして節々を伸ばし可動域を広げながら自律神経を整える。
睡眠の質:酸欠にならないように寝室の空調を重視。窓を開けて寝るのは防犯上怖いので、寝室の扉を開けて寝るなどして空気がこもらないように工夫。アロマの香りなど自分に合う誘眠状態を見つけましょう。
入浴:ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる。炭酸効果、香りでの癒しも入浴剤も楽しみの一つに。
3.婦人科や専門医を頼るのもアリ!
更年期なんて病気じゃないし、「我慢するしかない」と思っていませんか?
でも、この未病レベルだけどジワジワと長く続く、そしていつまで続くか分からない状態は、生活の質を落とします。我慢せず、婦人科で相談をしたら良いと思います。
必要に応じて、ホルモン補充療法(HRT)や漢方など、対処法をすすめてもらえます。
ただでさえ、加齢によるいろいろな揺らぎが出てくる時期に、ばっちり重なる更年期は、“やっかい”な時期。それも、年数的に長いのでこの時期をどう対処するかが本当に大事。
我慢せず、諦めず、比べず(更年期の出方は人それぞれ。だから焦らないこと)、今日できる小さなケアを重ねていく。それが、アラフィフのこれからをもっとラクに、美しくするヒントになるはずです。
最後に
ホルモンは目に見えないけれど、確かに“今”の私たちに影響を与えています。最初はマイナスイメージでとらえていましたが、体と心の声を無視せず、「丁寧に向き合い、知ってあげる」、ために良い時期だと思うようになりました。今まで突っ走ってきて、自分を労わるタイミングが持てないことも多かったアラフィフには大事な通過点なんだろうな、と。きっと、この時期に得た「自分いたわり術」は、この先の自分を心地よく過ごさせてくれる糧になるはず。どんなことをしてあげたら、自分の体が楽になったり、喜ぶのか、そんな自分へのやさしさが、心身の健康や美容のパワーになると思うのです。一緒に、「自分にとってそう悪くない更年期」を探っていきましょう!