「老後資金2000万円問題」なんて聞くと、
「いやいや、それどころかボーナスも微々たるもので、退職金制度すらないんですけど?」とツッコミたくなるアラフィフ、それは私です。
長年勤めている会社は人間関係にも恵まれ仕事も楽しい。でもこういう会社の制度ばかりはどうにもなりませんし、昔の私には転職を考えるほどの要件にはなっていませんでした。ですが、経済本や雑誌を見ると、割と「退職金あり」の状態で話がされていることが多くて、その度に「無い場合は?論外なんでしょうか?」と疎外感を感じることがあります。
年々、労働環境や雇用制度は変化してきていますし、かつての「定年後は退職金+年金で悠々自適」なんてモデルはもはや幻想です。
私たち世代は、「老後=まだまだ働く時代」と言っても過言ではありません。では、ボーナスが期待できず、退職金も見込めない人間はどうすればいいのか?
等身大の老後戦略を立てていくしかありません!
「ないもの」を数えない、「できること」に目を向ける
ボーナスが少ない。退職金がない。確かにそれは不安要素ですが、「だから何もできない」と思い込むのはもったいないです。これは、私自身が自分に言い聞かせていることでもあります(笑)
私たちにはまだ、「働ける時間」「学び直せる柔軟さ」「地道に積み重ねる力」があります。大切なのは、“持ってないもの”に意識を取られすぎず、自分軸で策を練ることだと思っています。
実践中の老後戦略5つ
① 小さくても「自分年金」を育てる
iDeCo、NISAにチャレンジする!
ポイントは「毎月、自動で積み立てる仕組みを作ること」。
金額よりも「仕組み化」することの方が未来を左右します。積立て始めて数年は、あまり効果実感を感じられないかもしれませんが、積立投資は時間がものを言うところも多分にあるので10年後位には「やってて良かった」という実感がきっと芽生えるはず。
② 体と心をメンテナンスして「働ける土台」をつくる
老後も「完全リタイア」ではなく、「働く」ことが前提になりつつある今、健康でいることは最高の資産です。
この健康は、「体」だけでなく「心」もです。昔から、体と心は繋がっていると言われますが、年を重ねるほど身をもって実感するようになりました。体調が良い時は心も軽く、体調を崩すと心もぐったりするのを感じます。両方のバランスを上手く調節することが大事!そして、健康は美しさにも繋がるので本当に大きな財産です。
会社の健康診断はもちろん、がん検診、血圧、コレステロール、歯、など小まめにメンテナンスやチェックをしたいです。そして、年を取るほど、骨と筋肉の強化は必須です。いつまでも元気にガシガシ歩ける健脚でないと、健康資産の目減りになります。
検査費用や、補強のためのサプリメントなどは“自分をメンテナンスするための投資”と考えて、「土台」を整えていきましょう。長い目で見れば、安い投資だと思います。

③ 老後の暮らし方をシミュレーションする
必要なのは、漠然とした不安ではなく「現実的な見積もり」です。
・月いくらで生活出来るのか。また納得出来る生活費とすれば幾らなのか。
・どこに住みたいのか?
・持ち家か賃貸か?
自分なりの「老後の暮らし方」を描くことで、何歳位でこの位の金額があれば・・・というように今からしておくべき行動が明確になります。何も先行きが見えない状態が一番不安をあおるので、ざっくりとした状態でもある程度の目途をつけておけると良いと思います。
④ 「小さな収入源」を持つ
本業のほかに、自分の好きや得意を活かして小さな収入源を作れれば、安心材料になります。これは今すぐに形にならなくても、「見つける」「探す」「試してみる」などを早くからやっておいて、徐々に「お金」になっていけば良いと思うのです。世の中そんなに甘くはないので、すぐに「形」になる人は一握り。でも挑戦や失敗をちょこちょこ繰り返していく内に数年後には「形」になるかもしれません。やってみない人にはこのチャンスは訪れないので、まずやってみることから始めたいと思います。私自身、まだ模索中です。
ブログ、イラスト、ハンドメイド、ライティング、資格を活かした副業…。などなど。月に数千円でも、積み重なれば立派な“ゆる資産”です。
⑤ 固定費を見直す
年齢を重ねると、見直していない支出が意外と多いもの。この作業は本当に面倒と思ってしまうものなのですが、年に1回全体的にお金に絡むあれこれを棚卸しする習慣を決めると年々余計なものがそぎ落とされて、この作業も苦痛ではなくなってきます。
私は年末年始に必ず1日この作業をする日を決めて、新年に向けて動き出す、という形が取れるようになりました。一番最初にこの作業をやり出した時が一番大変でした。なんせ、把握出来ていないことが多く、パスワードの整理から大事な契約書の読み直しやファイリングから入ったので。初年度は休みの度に、少しずつやって1か月~2か月がかりだったと思います…。この作業は、気力と体力がまだ元気な内にやっておくことを絶対おすすめします!
・銀行、証券、カード、アプリ等、パスワード一覧整理、またそれぞれに関連する書類のファイリング(この1冊を見れば全てが分かるようにしておく)
・使っていないサブスクの解約作業
・保険の内容の見直し
・スマホ代や通信費の削減を探る
・定期購入しているもので、代替が効き安価な商品が出てきていたらスライドなど。
地味ですが、ここを整えると将来のゆとりに繋がります。この先収入が減っても、固定費の金額は変わらないのでこのあたりをコンパクトに納めておく作業は大事です。
老後戦略=「焦らず、でも立ち止まらず」
SNSや雑誌を見ると、資産報告を堂々とする人や、「早期リタイアしました!」という話に焦ることもあります。
でも、それはあくまで“その人の背景と環境があっての話”。
「今からでも間に合うこと」に目を向けて、「地に足のついた老後戦略」を立てていきたいものです。でも、不思議なことに自分の現状の棚卸や、今後の進め方を把握することで心の安定は得られます。他の情報にざわつかされることが減りました。最近、ざわざわすることが多いと思われる方、是非試しに自分の「経済事情棚卸」をやってみてはいかがでしょうか?
最後に
継続は力なり。”コツコツ”は裏切らない。未来の自分を楽にするのは、「今の自分」だけです。
華やかな資産形成術や爆益話に振り回されないように、「自分軸」のお金目線をしっかり確立したいと思う今日この頃。
大事なのは、「自分サイズで、地味でも確実に未来に備えること」。
ボーナスが少なかろうが、退職金がなかろうが、“戦略”を持てば老後は「暗い」ものではないと信じます。未来を作るのは、今日の小さな選択と積み重ねですよね。
アラフィフから始める「ゆるくて強い老後戦略」、頑張ります。
