アラフィフ世代の私たちが、今になって「お金の知識が足りない」「もっと早く考えておけばよかった」と気づくことは少なくありません。
その背景には、「お金の話をするのははしたない」と教えられた、団塊世代の親から受け継いだ価値観が大きく影響していると思うのです。
この「お金=タブー」という考え方は、“呪い”のように無意識に私たちの思考に刻み込まれている気がします。私の家では、宝くじや株式投資などの話は、全てギャンブル扱いで、「悪いもの」という言われ方をして育ちました。周囲の同世代の友人たちも、宝くじはさて置き、投資自体は敬遠している様子は似たような状態でした。
なぜ、団塊世代の親たちはお金の話を避けたのか?
そして、その呪いからどう抜け出せばよいのか?
今回は、「お金に対する私の意識改革」について書こうと思います。
団塊世代が「お金=はしたない」と考えた理由
■戦後の「貧しさ」と「美徳」の価値観
団塊世代の親たちは、戦後の復興期から高度成長期を生き抜いた世代です。
貧しい時代を知っているからこそ、「お金の話をするのはがめつい」「品がない」という価値観が染みついています。
• 「お金の話をするのは貧しい人がすること」
• 「お金に執着するのは恥ずかしい」
• 「コツコツ働いていれば自然に生活は良くなる」
この考え方は、努力して働けば経済的に報われる時代だったからこそ成り立っていたと思われます。
アラフィフ世代が受け継いだ“呪い”
私たちアラフィフ世代は、そんな親世代の価値観を無意識に受け継いで育ちました。その結果、以下のような「お金に対する無意識のブレーキ」が働いてしまうのかもしれません。
■「貯金だけしていれば安心」と思い込む
• 投資や資産運用の知識が乏しく、「貯金=安心」という固定観念に縛られる。
• リスクが怖くて、なかなか資産運用に踏み出せない。
■「お金の話をするとがめつく見える」とためらう
• 友人や家族とお金の話をするのに、「なんとなく気が引ける」と感じてしまう。
• お金について学ぶこと自体に、罪悪感を覚えることも。
■「老後はなんとかなる」と根拠のない楽観
• 親世代が年金や退職金でなんとかなった経験から、「自分たちもなんとかなるはず」と思い込む。
• しかし、現実は年金制度も退職金制度も親世代とは大きく違う。
呪いから抜け出すために必要な意識改革
他の記事でも書きましたが、私は家を買うことをきっかけに、資産形成について真剣に向き合うことになりました。このまま銀行に預けておくだけでは増えるはずもなく、今の自分の資産を少しでも増やしていけるとすれば投資しかない、と腹をくくり、いろいろ小さい失敗はしながらも、NISAなどを活用して地道な資産形成に取り組むことになったのです。お金にまつわる勉強も、ファイナンシャルプランナーの資格を取ることで学びつつ、実際の投資などは実地でやりながら少しずつ馴染んでいきました。
「お金に関する知識の不足」が老後の生活に大きな影響を与えかねません。呪いを解くためには、「お金=知識と選択肢を増やす道具」と考え方を変えることが大切です。
■ 「お金の話は未来の自分を守るため」と意識を変える
• お金の知識は、自分自身と家族の未来を守る武器だと考える。
• 資産形成=生活の安定や安心を手に入れる手段という発想にシフトする。
■ 「貯めるだけでなく増やす」にシフト
• 貯金だけでは資産は増えない時代。「貯める+増やす」のバランスを考える。
• 少額から始められる投資信託やNISA、iDeCoなど、リスクを抑えた運用方法を学ぶ。
■「お金の話は恥ではなくスキル」と認識する
• 「お金について話すことは知恵を共有すること」と考える。
• 友人やパートナーとも、資産形成の話をオープンにできる関係を築く。
※YouTuberで両学長という方がいるのですが、この方がお金に対する考え方や、投資についてなどかなり多くコンテンツを上げています。特に、お金の呪いにとらわれたアラフィフ世代が見ても「目からウロコ」の情報が多く、私は自分のお金に対する意識改革にとても役立ちました。楽しくお金の情報を得られるのでおすすめです。
アラフィフ世代が今できる「呪い解除」のステップ
①自分の「お金に対する思い込み」に気づく
• 「お金の話はタブー」「お金を気にするのは恥ずかしい」という無意識の価値観を見直す。
• 親から受け継いだ考え方が、今の時代に合っているのかを冷静に判断する。
②お金に関する知識をアップデートする
• 「貯める・増やす・守る」の3つの柱で資産管理を考える。
• 最新の資産形成の方法(NISA、iDeCo、など)について学ぶ。
③お金の話をオープンにできる場を作る
• 信頼できる友人や家族と、「お金のことを話せる関係」を築く。
親世代との「お金の話」を避けない
団塊世代の親との「お金の話」は気まずいと感じるかもしれません。でも、親世代とオープンに話すことで、相続や老後の資産管理のトラブルを防ぐこともできると思います。親にもいろいろ資産の整理をしておいてもらわないといざという時に、何も分からず双方が困ったことになり兼ねません。
■「親の資産状況を知ること=未来への準備」
• 親の資産状況や今後の生活について、ざっくりとでも把握しておきたい。
• 介護や相続の問題を「後回しにしない」ことが、家族全体の安心につながる。
最後に
お金の話は未来への投資です。団塊世代の親から受け継いだ「お金の話ははしたない」という呪いは、今の時代には通用しません。
アラフィフ世代は、「お金の知識は自分と家族の未来を守るためのスキル」と意識を変え、積極的に学ぶことで、その呪いから解放されます。
呪いを解いて、お金の知識を味方につけるアラフィフライフを目指したいものです。
